flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

胡蝶綺 ~若き信長~ 第六話「清洲」

脚本:山口亮太 絵コンテ:北村真咲 演出:上野壮大 作画監督:吉田和香子、蒼依ふたば、和田伸一、山村俊了、森本浩文

【概要】

末森城を任された信勝に会いたいと新年会を企画する信長だったが、ついぞ実現することなく春を迎える。何度も手紙を書いた信長にようやく信勝から返事がきた。そんな時、尾張守護の子息である斯波義銀をかくまったことにより、信長は坂井大膳が仕切る清洲の本家と戦うことになる。

【感想】

仲が良かった兄弟が会うことを許されない理不尽さが、重すぎない筆致ゆえに切なく伝わる。奔放な信長に生真面目な信勝という人物像が、尾張をめぐるさまざまな思惑にほんろうされるかのよう。信長に対する恒興のように信勝を支える津々木蔵人、まったく印象を異にするからこそ気になってくる。土田御前の影響下にある信勝に帰蝶のような存在がいないことが不安をもたらす。Aパート最後の池に映った雲が波紋によってゆがみBパート冒頭の暗雲に切り替わる仕掛けなど、静かに雄弁な背景美術が渋い。

コップクラフト #6「NEED FOR SPEED」

脚本:賀東招二 絵コンテ:板垣伸 演出:森義博 作画監督山内則康、猿渡聖加、梶浦紳一郎、糸島雅彦

【概要】

愛車のドアミラーを壊されたことに立腹したマトバは、ぶつかってきたトラックを横転させる。その荷台から散乱した書籍はセマーニ世界に密輸される予定のものだった。マトバの愛車を壊してしまったティラナは運転免許を取得することに。新たな車を与えられたマトバだったが……。

【感想】

マトバの荒っぽい運転をティラナが荒っぽい運転で返すことで、二人の凸凹なパートナーシップが小気味よく表現される。地球人と文化が異なることによる恥じらいや、マトバのアレルギー回復を隠していたいたずら心など、ティラナの表情がいつになく豊かだった。セシルが言及した気が強い妹ポジションからの発展が気になるところ。潜入捜査におけるトニーとアレクサンドルのやりとりがユーモラスで、マトバとティラナのコンビに花を添えていた。

スタミュ 第3期 第7幕

脚本:ハラダサヤカ 絵コンテ:葛谷直行 演出:浅野景利 作画監督:近藤律子、塚越修平、遠藤大輔

【概要】

プレ公演を見た四季が星谷たちの主張を聞いてくれるという。星谷は屋外劇場で会っていた人物が四季だったと判明したせいで落ち着かない。鳳と会った星谷は四季について尋ねるのだった。そして、華桜会でオープニングセレモニー出演者についての話し合いが行われる。

【感想】

前華桜会にアンシエントの面々まで登場しての華やかさが楽しい。役目を終えた彼らの表情は軽やかに見えるが、だからこそ現華桜会がまとうシリアスな空気が強調されもする。前華桜会から変化を託されて主席となった四季の重圧と孤独を想像してしまう。雲上における単独のミュージカルパートは、ひょうひょうと振る舞う四季の影を映し出すかのよう。そこにストイックに理想を追い求める冬沢のアティチュードが緊張感をもたらす。それぞれのスタンスから星谷たちにかかわった春日野、入夏、千秋の生かしどころにも注目したい。

かつて神だった獣たちへ 第七話「追憶の引鉄」

脚本:金田一明 絵コンテ:添野恵、宍戸淳 演出:Kang Tae-sig、The Sun 作画監督:The Sun、PARK PRO

【概要】

ホワイトチャーチ事件後、ハンクは姿を消してしまう。ケインは新パトリアを建国して南北統一に向けて動き出す。北部パトリア政府は国内の擬神兵を一掃することを決断。一命を取り留めたシャールは、故郷の村でクロード部隊の案内役を務めることに。付近に現れるという化け物は死んだはずのニーズヘッグだった。

【感想】

ハンク不在だからこそシャールの変化が悲しく伝わってくる。父親のかたきであるはずのハンクをトレースするかのようにニーズヘッグに銃弾を撃ち込んだ因果が理不尽すぎて。それでも、ハンクの代わりに涙を流してきたシャールだからこそ救いがあったのかもしれない。ハンクとシャールの動機はケインの野望阻止にシフトしていくだろうが、二人の新たな出発点として記憶しておきたいエピソード。シャールとクロードに心動かされるようなドラマを期待したいところ。

ヴィンランド・サガ #06「旅の始まり」

脚本:猪原健太、瀬古浩司 絵コンテ:佐野隆史 演出:山本陽介 作画監督:稲田俊子、リ シャオレイ、渡邉慶子、山本無以、栗原基彦、井上修一、田中耕平、若狭賢史、村田睦明

【概要】

アシェラッド兵団の一員となったトルフィンは、生き延びるために敵兵の命を奪っていく。イングランドの村に斥候として送り込まれたトルフィンは、戦闘で負傷したところをイングランド人の母娘に助けられる。トルフィンは母娘に逃げるように告げ、アシェラッドの本隊に合図を送る。

【感想】

トールズから受け継いだ戦闘力と優しさ、両者がせめぎ合いつつも、今のところ前者が上回っているように見えるトルフィン。父親の敵を討つためにはアシェラッドの配下として生き延びるしかない。乱世にほんろうされるデーン人の縮図のようなトルフィンの冷たい表情が、ただひたすらに悲しくやるせない。母親が最後に見せた涙が、トルフィンの声にならない魂の叫びを代弁してくれるかのようだ。母親が願ったデーン人とイングランド人との融和を、はるか遠くと分かっていてもトルフィンに託したくなる。それこそがトールズが伝えようとした精神と思うから。

荒ぶる季節の乙女どもよ。 第六話「乙女は森のなか」

脚本:岡田麿里 絵コンテ:沖田宮奈 演出:黒瀬大輔 作画監督:小見山和也、岡田由起子

【概要】

文化祭で恋にまつわる逸話を作ってほしいと頼まれた文芸部。駿との仲を隠そうと画策するり香。泉と新菜のことが気になる和紗。山岸を挑発するも不発のひと葉。アイデアがまとまらない中、合宿に行くことになる。和紗の誤解を解いてほしいと頼んできた百々子に新菜は……。

【感想】

駿との恋仲を隠そうとするり香の策略(?)の上で展開される恋模様に妙味がある。堅物な部長として鳴らしたり香が意中の相手との距離感に戸惑いつつ、和紗たちのデリケートな内面を守ってくれるかのような構図。だからこそ、誤解されがちな自身にいら立つ新菜が、和紗からの誤解を放置する面倒くささすらかわいらしい。互いを認める和紗と新菜を観測する百々子の視点があるからこそ、ハラハラしながらも安心して見ていられる。ひと葉と山岸の蜜月はそのニッチを埋めていくかのような自由度。濃密になりそうなところ軽やかに展開してくれるので見やすい。

グランベルム 第6話「魔石」

脚本:花田十輝 絵コンテ:高島大輔 演出:高島大輔 作画監督:北原大地

【概要】

敗れた寧々は満月と新月に協力を申し出る。九音の願いを知った満月は、目的のないままグランベルムに参加したことに自問自答する。母親から魔術師として未熟であることを突き付けられたアンナは、水晶に見限られる。クレアに頼まれた新月はアンナに真実を打ち明けるが……。

【感想】

新月のセリフ「理想の自分」を誰よりも激しく追い求めていたのがアンナだったのかも。魔術師の何たるかを静かに語って聞かせる新月の境地は、強大な魔力を背負わされたからこそのすごみがある。新月とアンナは非対称な表裏一体、だからこそ新月はアンナのことを案じ、アンナは新月のことを恨んだのだと。重心にいる満月がまっさらな状態ゆえに、魔術師たちの感情がダイレクトに反響してこだまする。

鬼滅の刃 第十九話「ヒノカミ」

絵コンテ:白井俊行 演出:白井俊行 作画監督:鬼澤佳代、遠藤花織、永森雅人

【概要】

伊之助は冨岡義勇に、善逸は胡蝶しのぶに、それぞれ助けられた。剣を折られた炭治郎は圧倒的な累に苦戦を強いられる。身を挺して炭治郎を守った禰豆子を気に入った累は、禰豆子を拘束してしまう。炭治郎は禰豆子を救おうと立ち向かうが、累の攻撃に絶体絶命となる。

【感想】

満身創痍な善逸と伊之助の気合を受け取ったかのような炭治郎の反発力が圧巻。兄の危機に満を持して現れた禰豆子の献身も大きかったが、累が信奉するひずんだ家族の絆を自身の家族に変換して鮮やかに跳ね返してみせた炭治郎の純粋さに打たれる。わずか一呼吸で水を炎に変化さらには維持させての起死回生が、めくるめく色彩と構図で大胆かつ細やかに表現されており、炭治郎の内なるポテンシャルが視覚的に体感できた。見ているこちらの息が止まってしまうほどに。

Dr.STONE 06「石の世界の二つの国」

脚本:木戸雄一郎 絵コンテ:紅優、鵜飼ゆうき 演出:原田奈奈 作画監督:米本奈苗、森七奈、小美戸幸代

【概要】

首の後ろに残されたわずかな石化部分に千空の生還を賭けた大樹と杠。互いへの呼びかけがシンクロした時、千空が復活を果たす。司による野望を砕くため、千空は大樹と杠にある秘策を授ける。大樹と杠と別れた千空は、大木の下敷きになっていた少女を見つける。

【感想】

昏睡状態の千空の意識下を使って大樹が復活するまでの回想を置く構成が素晴らしい。たった一人のサバイバル生活が千空の底知れぬしぶとさを伝えてくれた。そんな親友を知り尽くした大樹への呼びかけが帰ってきての千空の復活劇に目頭が熱くなる。「揺らがぬ信念」というコハクの千空評がきれいにまとめてくれた。体内から石化が解けていく原因など、千空の視点で紡がれていく考察にも納得がいく。

彼方のアストラ #06「SECRET」

脚本:海法紀光 絵コンテ:瀬村俊一郎 演出:備前克彦 作画監督:吉森直子、村田憲泰

【概要】

ルカに銃口を向けるウルガー。ルカの父親、マルコはウルガーの兄のかたきだという。ルカの境遇を知らされたウルガーはちゅうちょする。そこに津波が襲ってきた。ルカとウルガーは海に取り残されてしまう。流されそうになったウルガーをルカがつなぎとめるが……。

【感想】

似た者同士という連帯感が閉鎖的なB5班に同朋意識をもたらす。いささか強引に思える筆致も、仲間たち全員を助けたいというカナタのアティチュードがまとめ上げてくれる。ルカを撃とうとしたウルガーすら助けてしまうカナタに、かつて宇宙に放り出されたアリエスを救った姿が重なってきた。両性具有であるルカのポジションは、男女混成の密室空間における潤滑油のようであり、誰に対しても友好的な振る舞いに合致したものではないか。親にうとまれてきた子供たちという共通点に、表向きはそうでないアリエスの特異なポジションが改めて浮かび上がる。