flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

胡蝶綺 ~若き信長~ 第十話「兄と弟」

脚本:笹野恵 絵コンテ・演出:河野亜矢子 作画監督中嶋敦子、木村友美、松竹徳幸、森本浩文、小島絵美

【概要】

織田家から去った帰蝶の言葉を吉乃から伝えられた信長。その身辺警護のために精鋭部隊が編成される。末森城では津々木の計略により信長をおびき出す作戦が進められていた。さらわれた恒興を助けるため駆けつけた信長の前に、信勝が立ちはだかる。

【感想】

帰蝶の不在と恒興の不在という危機は信長をとりまく危うさそのものに思えたが、同時に彼らが残してくれたものの大きさを感じさせもする。それは信長という人物のスケールであり、逆臣を排除して忠臣たちを託した信勝の振る舞いが示すもの。兄を尊敬するがゆえに咎人となった信勝の選択がつらくてならないが、帰蝶といい姿を消すことで織田家をまとめようとする引き際は美しくもある。卑劣な津々木に対するカウンターとしても際立つ。後戻りできなくなった信長と信勝をかろうじて結びつけていた象徴である手紙の生かしどころに泣かされた。かつての秀孝と恒興の交流が重なってきて。

スタミュ 第3期 第11幕

脚本:高橋郁子 絵コンテ:葛谷直行 演出:橋本能理子 作画監督:小園菜穂、高野ゆかり、高野やよい

【概要】

不信任決議の結果により四季が華桜会から除籍される。オープニングセレモニーは予定通り2ステージ制で行われることに。落ち込むteam鳳の面々だったが、四季を探し出して自分たちのステージを見てほしいと頼む。一方で、team柊の辰己も冬沢に思いを伝えるのだった。

【感想】

鳳と柊の精神のみならず関係性までも受け取った星谷と辰己が、かつての恩師たちをほうふつとさせる四季と冬沢を結びつけようとするミュージカルパートが白眉だった。四季と冬沢の断絶がいっそう色濃く感じられるだけに、自然体で綾薙の改革を成し遂げようとするカンパニーの輝きが強調される。猪突猛進で引っ張ってきた星谷が行き詰ったとき、後押しするのではなく反対側から支えるような戌峰の明るさが頼もしい。第4幕で閉じ込められてしまった星谷のシチュエーションをトレースするかのような四季の姿に、持って行き場のない冬沢のいら立ちが痛々しく響いてくる。

かつて神だった獣たちへ 第十一話「騒乱の嚆矢」

脚本:金田一明 絵コンテ:大石美絵 演出:下司泰弘 作画監督:和田伸一、松岡秀明、柴田志朗、村上竜之介、石田千夏、髙田陽介、岸香織、張丹妮、伊藤瑞希、新沼大祐

【概要】

首都から山脈を隔てたボルドクリークに新パトリアの要塞が築かれる。要塞は擬神兵ケンタウロスことマイルズが防御しており近づけない。要塞に対処するためハンクやシャールを含むクロードの部隊が着任した。ハンクはケンタウロス対策として夜襲を仕掛ける。

【感想】

それぞれの負傷兵の対処に当たるシャールとマイルズのコントラストがポイント。負傷兵の手当てをしたとて死者を救うことはできない。そんな絶望が医師だったマイルズを殺人マシーンに裏返してしまう絶望感。陣地で無力さを突き付けられるシャールと似ているようで全く異なった境地がきつい。人を救うために人を殺めざるを得ないむなしさがマイルズに凝縮されているからこそ、人間と擬神兵の共存を願うシャールの祈りが一筋の希望となる。柔らかくなったハンクの表情がよりどころ。

荒ぶる季節の乙女どもよ。 第十話「穴」

脚本:岡田麿里 絵コンテ:熊膳貴志、安藤真裕 演出:熊膳貴志 作画監督:大庭小枝、佐古宗一郎

【概要】

電車内で誘いをかけた泉から拒絶され夜の街をさまよう新菜。その頃、駿との下校中に山岸の車に乗ったひと葉を目撃したり香は、その後を追いかける。悟の態度にへきえきしていた百々子は、勢いで新菜に連絡をとるのだった。翌日、和紗は泉の態度に違和感を覚える。

【感想】

幸せの絶頂にある和紗のかわいらしい悩みを背景にして、色恋をめぐるさまざまなささくれが交錯していく生々しさ。特に印象的だったのは、新菜とひと葉からの大胆な誘いをそれぞれ断った泉と山岸のコントラストで、体と心のミスマッチに相手に対する優しさが混じり合って、胸をかきむしられるようだった。そこに冷水を浴びせるような十条の退学処分。誰よりも好きな人について実直に語っていた十条の表情を思い起こす。百々子が示唆したように性別すら超えた感情と立場がもたらすひずみの数々、ままならないからこそいとおしい。

グランベルム 第10話「もの思う人形」

脚本:花田十輝 絵コンテ:石田可奈 演出:石田可奈 作画監督:石田可奈

【概要】

グランベルムでの戦闘にて。自身がマギアコナトスに作られた人形であることを知らされた満月。劣勢から起死回生の逆転を果たしたに思われた九音だったが、水晶に倒されてしまう。戦いが終わり現実世界に戻った満月に異変が起こり始めていた。

【感想】

マギアコナトスの化身のような水晶が全編を支配する。嫉妬にとらわれていたアンナのそれとは明らかに異質なまがまがしさ。操る者と操られる者の逆転とばかりに、内と外から水晶を制したかに思えた四翠と九音の不発は、満月に突き付けられた不可逆性を感じさせる。しかしながら、満月が新月に向けた感情は本物と信じたいので、全ての魔術師を消し去るという願いが魔術師のために作られた人形を生かすという起死回生に期待したくなる。マギアコナトスが魔術師の感情の写し絵であれば、それが投影された満月にこそ希望があるのではないかと。

鬼滅の刃 第二十三話「柱合会議」

絵コンテ:栖原隆史 演出:高橋賢 作画監督佐藤哲人、小笠原篤、三宅舞子

【概要】

不死川実弥の挑発に耐え抜いた禰豆子は、当主の産屋敷耀哉から認められた。鬼殺隊の一員として共に戦うことになった炭治郎と禰豆子は、胡蝶しのぶの屋敷に世話になることに。炭治郎が連れてこられた病室では、善逸と伊之助が治療を受けていた。

【感想】

病室で枕を並べる炭治郎と善逸と伊之助の図、薄暗い居室で決意を新たにする炭治郎と禰豆子の図、これまでの死闘が嘘のような静けさが印象に残った。激しすぎる死線を潜り抜けてきたからこその境地に、炭治郎が信頼する者たちとの絆が力強く重ねられていく。炭治郎の呼吸法そのままといった感じの動と静のダイナミズムを、鬼の打倒に向けて決意を新たにする産屋敷のすごみがまとめてくれる。

Dr.STONE 10「薄っぺらの同盟」

脚本:木戸雄一郎 絵コンテ・演出:川尻健太郎 演出:小野田雄亮 作画監督:三浦雅子、南伸一郎、jumondou seoul

【概要】

ゲンが襲われて負傷する。犯人はルリを手に入れることで村長の座を狙うマグマだった。御前試合に向けて金狼と銀狼に特訓をつけるコハク。その間にサルファ剤の開発を進める千空とクロム。そんな中、治療を受けていたゲンが姿を消してしまう。動揺する一同だったが、千空は落ち着き払っていた。

【感想】

ルリを守ろうとするクロムの熱さに司に反抗する千空の冷静さが加わることで、妖術から脱皮した科学コンビが何とも頼もしく感じられる。まるで不在の大樹が見守ってくれているかのようだ。軽薄に振る舞うゲンが感化された理由も分かる。原始の森を揺さぶるような司の登場に緊張するが、ゲンと千空というトリックスターの二段構えが受け止めてくれる。暴力に訴えるマグマが司帝国の縮図のように見えてくるところがポイント。

彼方のアストラ #10「CULPRIT」

脚本:桜井光海法紀光 絵コンテ:塚田夏央 演出:浜田将太 作画監督:樋口博美、山本由美子、賽藤晴香、川本由紀子、張鵬

【概要】

カナタたちが帰ろうとする母星が地球でないことにショックを受けるポリーナ。両者の情報を総合すると、アストラは未来の地球なのだという。しかし、カナタたちが暮らす時代までの経緯が異なっているという事実が明らかとなる。そして、一行は最後の寄港地である惑星ガレムに到着する。探索していたカナタはあの球体に再び襲われるが……。

【感想】

カナタの前向きなリーダーシップに刺客を捕まえるための覚悟が加わり、クライマックスに向けて緊張感を増してきた。アリエスの異物感が気になっていただけに、刺客の正体には意外さを感じたりも。いずれにせよ、ムードメーカーでありながら正体不明のアリエスが焦点であることには変わりがない。仲間たちに行き届いたカナタの目線がしっかりと生きているので、次々に明かされる事実にも散漫さを感じずに済む。

BEM #6「GRAVITY」

脚本:神山修一 絵コンテ:まついひとゆき 演出:鈴木吉男、雄谷将仁、北川隆之、相馬満 作画監督:Liang Shiting、Wang Yuechun、北川隆之、相馬満

【概要】

殺人事件の犯人として逃亡中の元宇宙飛行士ヴァルが疑われる。ロティとイリュージョンを観劇したベラは、ショーの目玉である重力男のパートナー、ハラジーと仲良くなる。自身が連続殺人犯との噂が広まったことで、重力男はハラジーを連れての逃亡を決意する。ベラは二人のサポートを引き受けるが……。

【感想】

イリュージョンを見つめるベラとロディの温度差が切ない。重力男ことヴァルとハラジーのパフォーマンスで初めて変わったベラの表情は、ロディとは異なる存在であると暗に宣言するかのよう。ハラジーを結節にしたベラとヴァルの交流は、人間でない者同士の連帯意識を感じさせるもの。ヴァルが隠して守り続けてきたハラジーの異能が、人間に近づこうともがく妖怪人間たちを悲しいまでに照らし出す。だからこそ、ベラにとってのロディの存在が尊いものに感じられる。ロディに対してはおいそれと笑顔を見せないのもゆえあってのこと。

キャロル&チューズデイ episode:19「People Get Ready」

脚本:赤尾でこ 絵コンテ:竹下良平、堀元宣 演出:蓮井隆弘 作画監督:堀川耕一、ヤマダシンヤ、大貫健一、可児里未、本城恵一朗、伊藤嘉之

【概要】

サイドニアフェスに向けて派手な演出を考えるキャロルとチューズデイ。その頃、アンジェラはブラックナイトなるストーカーにさいなまれていた。ストーカー探しを引き受けたタオは、アンジェラがアーティガンのシークレットゲストとして出演するサイドニアフェスで仕掛ける。

【感想】

前回エピソードの意気投合そのままに、ステージの表と裏からアンジェラを支えるアーティガンとタオのコントラスト、それはポップスターにつきまとう光と影に思えてくる。だからこそ、アーティガンのフィールドでこれまでとは異なる表情を見せたアンジェラの後を受けたキャロル&チューズデイのオーガニックなパフォーマンスが染み入ってくる。音楽性を演出に組み込んだ構成はもはや定番と言えるものだが、今回は際立って印象的なものだった。成長して戻ってきたキャロル&チューズデイというシチュエーションのつつましさが好ましい。