【概要】
アガサ率いるヴァンパイアの襲撃から華田喜助を助けることができなかった。ユーリィは孤児となった咲に自身の過去を重ねるのだった。
【感想】
回想メインのエピソードながら、作画に音楽にキャストの芝居と、しっかり組み上げられた演出のおかげで見ごたえがあった。滅びゆく一族の生き残りとして、ヴァンパイアへの復讐心を燃やすユーリィの現在がてらいなく伝わってくる。代わる代わるユーリィを気づかう仲間たちと直江涼子の重層に、最後までユーリィを守り抜き変わり果てたミハイルの悲哀が響く。
【概要】
絶対安静のセシルに代わって影武者となったクイニーは、細かい所作に至るまでジェイの特訓を受ける。大仕事である記者会見を終えて人心地ついたクイニーを狙って一体のB.R.A.Iが襲い掛かる。何とかB.R.A.Iを撃退したクイニーたちだったが、その狙いは本物のセシルに向かっていた。
【感想】
クイニーの影武者をネタにいつになくコミカルな仕上がり。もっとも、影の主役はジェイであり、セシルとのパーソナルな約束すなわち契約が、ネオ翔龍を守るそれに拡大適用される。まさにクロエの言葉どおりで、ネオ翔龍の市民たちを家族と解釈すれば、パンドーラにおけるレオンの変化が実感できるというもの。そこにロン・ウーさらにはジークとの距離を重ねてしまう。
脚本:安本了 絵コンテ:外川慶 演出:工藤寛顕 作画監督:小野晃、菊地功一、西村幸恵
【概要】
由季に対してなかなか積極的になれないダルに業を煮やした鈴羽は、再来日した真帆までを巻き込んで一計を案じる。そのころ、岡部は留学の条件となるレポートをレスキネンに提出していた。
【感想】
過酷な未来からやってきて孤独に戦ってきた鈴羽の独り善がり。それを承知とばかりに優しく包み込んだダルと由季。不格好な親子愛に泣けてしまった。決意を新たにした鈴羽の視線の先に、同じように肉親の温もりを求めてさまようかがり、という構図が熱い。再来日していきなり鈴羽たちの手伝いという真帆のウォーミングアップ的な扱いに、これからの大仕事が見え隠れして気が引き締まる。
脚本:菅原雪絵 絵コンテ・演出:寺澤和晃 作画監督:森下勇輝、小林亮、満若たかよ、河辺信宏、今村大樹、早乙女啓、ハマ・ヨシヨシ
【概要】
アインズの意図を代弁したデミウルゴスが語った計画は「世界征服」だった。内心度肝を抜かれたアインズだったが、知名度アップのためには有効だと思い直す。その頃、アインズに救われたカルネ村では、エンリとンフィーレアたちが不穏な動きのある大森林に薬草取りに出かける。
【感想】
ナザリックが世界征服の足がかりに定めたカルネ村のほのぼのと生き生きとした日常。どことなく第2期シリーズのリザードマンを思い出すが、今シリーズでは早い段階でアインズたちの華々しい活躍を見たい。ナザリックを表に出すべきとのデミウルゴスのセリフが期待させてくれる。
シナリオ:高木聖子 絵コンテ:齋藤徳明 演出:藤本義孝 作画監督:吉田千尋、奥野浩行、林あすか、手島勇人、渡辺奏、佐藤麻理那
【概要】
海賊船バレナロッサからパーティーの招待状が届いた。海に記憶の断片があるというキエルの希望で、海賊の国アンキュラに立ち寄った主人公たち。ところが、バレナロッサのことを聞かれた住人たちは一様に拒絶反応を示すのだった。主人公たちはアンキュラの王子であるダグラスの案内でバレナロッサに乗り込む。
【感想】
古びた海賊船という舞台がそうさせるのか、次々と現れる王子たちの個性がつかみやすかったのはありがたい。そんな中、自称王子なキエルの自分探しが一つの縦軸になっていて、トロイメア姫とされる主人公がそれをトレースするような構図は変わらず。ゆえに、キエルを追いかけて海に飛び込んだ主人公という流れに思わず膝をたたく。
【概要】
マフムト、アリ・パシャ、エセンの「オスマン」グループに協力することになった「アメリカ独立戦争」グループ。港町の反政府グループを率いるオニールからの要請でさまざまな仕事をすることになる。郵便配達をすることになったスプリングフィールドは、ひょんなことから子猫探しをすることになり……。
【感想】
港町で労働と子猫探しをする4人の生き生きとした姿が楽しい。雲をつかむかのような「絶対高貴」に迫るには、今回のような善行の積み重ねをじっくり描いてくれたほうが伝わりやすいように思われる。ほのぼのとした子猫探しシークエンスを暗転させるかのようなラストの苦々しさに、説明セリフによらない世界帝の重苦しさがずしりと感じられた。
脚本:丸戸史明 絵コンテ:島津裕行 演出:飛田剛 作画監督:小笠原憂、舛舘俊秀、飯飼一幸。服部憲知、津熊健徳、油井徹太郎、冨沢和雄
【概要】
ジャック・ザ・リッパーのアンブラを倒したものの、シンヤオは新たな何者かにさらわれてしまう。シンヤオを助け出すことを約束するヴラッドたちは捜査を開始。そんな中、ルークだけはシンヤオを連れ去った人物に心当たりがあった。それは兄弟同然に育ったクリスだった。
【感想】
ペペロンチーノでルークとクリスさらにはトンとシンヤオをブリッジしてみせる。クリスのペペロンチーノの出来は、ルークに対する心の乱れのなせるわざと想像した。それがシンヤオをめぐるバトルアクションの結末につながっていく。自ら前線で戦うトンの行動力が相変わらず頼もしいが、守られる側のポジションであるシンヤオとクリスのドラマも気になってくる。トウリュウやヴラッドたちに当たるスポットが楽しみになってきた。
脚本:平見瞠 絵コンテ:名村英敏 演出:加藤顕 作画監督:管振宇、李少雷、清水博幸、雨宮英雄、中熊太一
【概要】
折尾屋が行おうとしている儀式には五つの品が必要なのだという。葵によるもてなしに満足した淀子は、その一つ「虹結びの雨傘」を貸すことに。葵は魚屋に扮した大旦那から松林向こうにある漁村に案内される。
【感想】
庶民的で手の込んだもんじゃ焼きで高飛車な淀子の機嫌を直してみせる手際に、南の地をリスペクトしての葵のしなやかさが感じられた。折尾屋の環境が葵のたくましさを強調するというか、天神屋のとき以上に伸び伸びした印象。だからこそ、素性を隠した大旦那との空気感がいっそうこなれて見えるのかも。葵の気性を肯定しつつ立ち回る大旦那は、なるほど「卑怯」と言いたくなってしまう。南の地の厳しさすなわち儀式の重要性を知った葵。おそらく「海宝の肴」は葵の担当になるだろうから、今から活躍が楽しみだ。
原作漫画未読。テレビシリーズ第1期、第2期視聴済。
スタッフ
原作:諫山創(別冊少年マガジン連載/講談社) 監督:荒木哲郎 シリーズ構成:小林靖子 キャラクターデザイン:浅野恭司 総作画監督:門脇聡 チーフ演出:田中洋之 アクション作画監督:今井有文、世良悠子、胡拓磨 美術設定:谷内優穂 巨人設定:千葉崇明 イメージボード:森山洋 プロップデザイン:胡拓磨 色彩設計:橋本賢 美術監督:吉原俊一郎 3DCG監督:廣住茂徳 3DCGプロデューサー:薮田修平 撮影監督:山田和弘 編集:肥田文 音響監督:三間雅文 音響効果:倉橋静男 音楽:澤野弘之 ストーリー監修:川窪慎太郎 アニメーションプロデューサー:中武哲也 シリーズディレクター:肥塚正史 アニメーション制作:WIT STUDIO
キャスト
エレン・イェーガー:梶裕貴 ミカサ・アッカーマン:石川由依 アルミン・アルレルト:井上麻里奈 コニー・スプリンガー:下野紘 サシャ・ブラウス:小林ゆう クリスタ・レンズ:三上枝織 ジャン・キルシュタイン:谷山紀章 ライナー・ブラウン:細谷佳正 ベルトルト・フーバー:橋詰知久 ハンジ・ゾエ:朴璐美 エルヴィン・スミス:小野大輔 リヴァイ:神谷浩史 ケニー・アッカーマン:山路和弘 ロッド・レイス:屋良有作
【概要】
リヴァイ班に編入されたエレンたち104期兵は、ウォール・マリアの穴をふさぐための実験を重ねていた。そこにニック司祭が拷問の末に殺されたという知らせが入る。エルヴィン団長からの手紙を読んだリヴァイは、アジトを捨ててトロスト区に紛れることを決断する。
【感想】
巨人が前面に出てこない不気味なほど静かな再開。人間同士の争いは過去シリーズで示唆されたものだけに驚きはないものの、じらされてきた巨人の真相が少しでもつまびらかにされることを期待せずにはおれない。緊張感ある画面作りは健在で今期も高位安定株になりそう。