さくら荘のペットな彼女
オーソドックスなラブコメ的キャラクターのイメージを借りつつ、熱血な青春ドラマをやろうという意気込みは分かるのだけど、正直成功しているとは思えなかった。核となる主人公・神田空太には最後まで共感し辛く、ましろに八つ当たりしたくだりなどを若気の…
脚本:岡田麿里/絵コンテ:宮浦栗生/演出:いしづかあつこ/作画監督:直谷たかし・村上雄・千葉充 ラス前の卒業式は激しく微妙だったが、この最終回はそれなりに紆余曲折あったドラマの締めとしては過不足無かったかと。空太を支えた住人達が(先輩以外は…
脚本:岡田麿里/絵コンテ:いしづかあつこ/演出:池端隆史/作画監督:大木良一・宮本佐和子・谷口元浩・児玉亮・藤部生馬・熊谷勝弘・千葉充・矢向宏志 卒業式の答辞に割り込んだ美咲が全校生徒をさくら荘取り壊し反対に扇動する、という展開。メインスタ…
脚本:鴨志田一/絵コンテ:佐山聖子/演出:黒川智之/作画監督:堤谷典子・渡辺亜彩美・佐々木睦美・田村正文 “家出”したましろの捜索。七海の想いが空太に伝わり空太の想いがましろに伝わる大筋そのものがシンプルだっただけに、外的な要因(ましろの出奔…
脚本:小柳啓伍/絵コンテ:細川秀樹/演出:高島大輔/作画監督:千葉充・直谷たかし・藤部生馬・諸石康太・村上雄・大木良一 空元気で失意を誤魔化し続けて限界を超えた七海を同じく失意の空太が慰める中庭と保健室のシークエンスは、決して傷の舐め合いと…
脚本:志茂文彦/絵コンテ:宮浦栗生/演出;池端隆史/作画監督;大木良一・中村慎吾・藤部生馬・三木達也・直谷たかし さくら荘取り壊し反対署名活動。入れ物が無くなっても仲間の絆は変わらないという龍之介の言葉は正論ながら、共同体としての価値は入れ…
脚本:志茂文彦/絵コンテ:佐山聖子/演出:稲本隆史/作画監督:渡辺亜彩美 さくら荘取り壊しという危機の前段階として、空太が入居した当時の回想編。空太の突っ込み速射に美咲の捨て鉢ハイテンション連発に疲れた。この空元気というべき妙なテンションは…
脚本:鴨志田一/絵コンテ・演出:佐藤真人/作画監督:大木良一・小渕陽介・矢向宏志・冷水由紀絵・マサユキ・冨岡寛 空太と拳で語り合って吹っ切れた(ようには見えない)仁が美咲に遠回しのプロポーズ。せっかく回想描写によって少しは仁の内面に近付けた…
脚本:岡田麿里/絵コンテ:玉川真人/演出:池端隆史/作画監督:中村真悟・熊谷勝弘・千葉充・舘崎大・直谷たかし いわゆるハーレム物の体裁をとっていない本シリーズの場合、定番のバレンタインエピソードでも悲喜交々なドラマを描けるのが強みか。龍之介…
脚本:伊藤美智子/絵コンテ:二瓶勇一/演出:黒川智之/作画監督:佐々木睦美・堤谷典子/総作画監督:冨岡寛 ゲーム企画書のプレゼン再び。冒頭から美咲が不自然なくらいハイテンションでちょっと辟易してしまったが、仁への変わらぬ気持ちを再確認しつつ…
脚本:小柳啓伍/絵コンテ:宮浦栗生/演出:柴田影久/総作画監督:藤井昌宏/作画監督:マサユキ・藤部生馬・村上雄・谷口元浩・児玉亮 年末年始、女友達三人に猫一匹を連れて福岡の実家に里帰り。管理人である千尋の無責任ぶりに腹が立ってくるが、神田家…
脚本:花田十輝/絵コンテ:佐山聖子/演出:池田重隆/作画監督:小関雅/総作画監督:冨岡寛 作画周りから音楽まで情感たっぷりの雰囲気づくりが、クリスマス・イヴならではの各々のドラマを引き立てる。特に、美咲から勇気をもらった七海が空太に向き合お…
自身の投稿が不採用だった苛立ちからその通知をましろに投げつけた空太に、今回ばかりは辟易してしまった。いみじくも、飯田との会話で以前のましろが良かったと言っていたように、空太が自身への苛立ちをましろに転嫁しているのは分かるのだけど。もっとも…
文化祭における「銀河猫にゃぼろん」の公演そしてリタとのお別れ。「愛を叫べ」がこっ恥ずかしくも違和感なかったのは、衒いのない青春ドラマを描いてきた今までのエピソードの集大成に思えたからかな。みんなが叫んだ「愛」も背伸びすることなくそれぞれの…
志茂文彦脚本×佐山聖子絵コンテ回。 文化祭と「にゃぼろん」制作の浮ついたテンションに乗せて、本シリーズのテーマ(と勝手に解釈している)である“想い”のリレーが連鎖していく景色が良い。頑張る仲間たちの姿に感化されて…というパターンがくどいほど繰り…
志茂文彦脚本回。 ましろとリタの和解。ましろに対する嫉妬の堆積を過剰な期待に変えることで平静を保っていたリタの内面は、『宇宙兄弟』37話での溝口からケンジへのそれと似たようなメンタリティなのだなと思った。まあ、リタにせよ溝口にせよ第一線で研鑽…
イギリス時代のましろ当番 リタ・エインワーズが押しかけ。女子の入居者もいるのに何で空太の部屋に転がり込んだのかは皆目理解不能であるが。空太がさくら荘のみんなと居たいというましろの気持ちを知りながら、その才能を目の当たりにしてやはり芸術の世界…
花田十輝脚本×下田正美/いしづかあつこ絵コンテ×池端隆史演出回。 空太に届いたゲーム製作会社からとましろからの二通の手紙。前者は2次選考プレゼンの案内で後者は「恋を教えて」という一見して関係のない内容に思えるが、いずれも悩める空太へのエールに…
鴨志田一脚本×高柳滋仁絵コンテ回。 空太の妹・優子がさくら荘に襲来。シリアスなドラマでひと山越えた後にコミカルなエピソードでバランスをとる構成なのか、ハイテンションで転がすスピーディーな乗りが楽しかった。ましろに驚愕しながらも張り合おうとす…
何でも一人で抱え込んでしまう努力家の七海と、身の回りのことは何もできない天才肌のましろが、それぞれの短所を見つめ直して和解する話。プロット自体はカッチリ決まっていてメッセージがストレートに伝わってくるのだけど、歩くのもままならないほど憔悴…
志茂文彦脚本×桜美かつし絵コンテ×池端隆史演出回。 七海までさくら荘に入居、そしてましろ係も空太から引き継ぎ。彼女は努力の人という長所でもって空太を導くもう片輪になると思うんだけど、変人天才肌揃いの他の入居者たちとは違って*1、日々の積み重ねの…
岡田麿里脚本×桜美かつし絵コンテ・演出回。 感情表現に乏しいましろが自身の漫画に空太への想いを投影するというプロットの秀逸さに尽きる。空太の翻意は決して唐突なものではなく、ましろへの感情と自身へのコンプレックスがない交ぜになっていた内面が前…
鴨志田一(原作者)脚本×神戸守絵コンテ回。 さくら荘を忌避しようとする弱腰な空太のスタンスが、仁へのそしてましろへの不理解の背景だったという話。そこには天才肌なさくら荘の面々と引き比べた空太のコンプレックスが貼りついていて、彼の焦燥をよりコ…
振り回される空太が気の毒になってくるが、振り回すましろのバックグラウンドが意外と深そうなので、シリーズに対する印象を固定してしまうのはまだ早計か。「超天才少女」と祭り上げられるくらいの天才画家が要介護という設定はともかく、何で空太に押し付…
原作ライトノベル未読。いしづかあつこ監督×岡田麿里シリーズ構成×藤井昌宏キャラクターデザイン。 これも学生寮で常識人の男子主人公が変人な女性陣に振り回されるパターンで、ええ加減に食傷気味だわと思いながらもそれなりに楽しめるのは、そんな基本コン…