flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER) 第11話「激戦です!」

脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:小林敦 作画監督:山口飛鳥 メカ作画監督:須藤晋

川でエンジン停止したウサギさんチームを助けたみほと彼女を支持した仲間たちに、西住みほ流戦車道の萌芽が確かに感じられた。そんな妹にどれほど攪乱されようともつとめて動揺を見せないまほには、西住流の本家を担う重責が見え隠れする。圧倒的な物量による正攻法を流儀として叩き込まれた矜持が自然と伝わってきて、単純に大洗側だけに肩入れさせてくれないドラマ作りが上手いな、と。それを台詞頼みでなく表情や態度そして戦術で見せてくれるのが、本シリーズの秀逸なところ。
黒森峰の切り札であるマウス登場のシーンは、止め絵や劇伴で大袈裟に盛り上げるわけでもなく、試合の流れを壊さないようナチュラルな演出が施されていて、それがじわじわと大洗側のプレッシャーとして体感できた。クライマックスに相応しく細部のクオリティをここまで磨き上げながら、基本的な制作スタンスはブレないものだと感服しきり。
★★★★

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER) 第12話「あとには退けない戦いです!」(終)

脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:水島努 作画監督:杉本功

捨て身の奇策によるマウス撃破のカタルシスが前座にしか感じられないほど、西住姉妹の直接対決の臨場感が圧巻だった。作画、音楽、音響と持てるリソースを総動員した演出が極まっていて、とてもテレビシリーズとは思えない完成度。長年の重荷だった姉を越えることで自身の戦車道を確立した主人公の表情でもって、ドラマ面も気持ち良くまとまったと思う。制作側はもちろんそうだろうが、観ているこちらも完全燃焼した気分。3か月間待たされただけの価値は十二分にあった。
★★★★☆

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER) 総感

日常描写はそこそこに「戦車道」の試合をエピソードごとに必ず入れるサービス精神は、かつてのスーパーロボットものや特撮もの、あるいは『プリキュア』などのキッズアニメを髣髴とさせるプロット。卓越していたのは試合シークエンスに漲っていたライヴ感で、無粋なナレーションや設定語りを極力排除し、芝居、作画、音楽、音響の呼吸を大切にした演出方向が、戦車に興味のない自分のような人間をも引き付けてくれたように思う。同じように競技かるたのルールが半分もわからないのに引き込まれてしまう『ちはやふる』シリーズに共通するものを感じた。ライヴ感は熱気と言い換えてもよく、つまるところ、古典的なスポ根もののテイストを戦車道というエキセントリックな設定に置換しただけ。戦車の設定や描写における緻密なこだわりもあるだろうが、作品コンセプトとしてはそんなシンプルさが受けたのではないだろうか。
主人公・西住みほの、戦力不足を知恵と機転と度胸で補う戦術は古典的なモチーフだけど、同時期にオンエアしている『ジョジョの奇妙な冒険』のジョセフ・ジョースターがそうであるように、“柔よく剛を制す”ところに判官びいき精神もあいまったカタルシスがあったように思う。特に、最終2話の黒森峰戦は極め付けであり集大成にもなっていた。また、引っ込み思案だったみほが指揮官としての素質を開花させていくくだりは、彼女を支える仲間たちの思い遣りもあって、表面的なイメージに囚われない力強さが感じられた。性格の違う5人のヒロインズという設定は昨今のアニメ作品において定番だけど、日常シーンで見せるそれぞれの個性を、緊張感あふれる戦車道における砲塔内での助け合いにおいても活かしてくれたのがまたすばらしい。あと個人的には、生徒会の凸凹トリオが、みほに対する厳しくも温かい眼差しもあって好きだったな。序盤こそ多人数のキャラクターを掴み難かったものの、シリーズ終盤では少なくともチーム単位ではそれぞれのキャラクターの面白味を体感できるようになった。日常ではなく戦車道の試合を通じてキャラクターに個性を付与していく方向性は、1クールの尺を考えれば大成功かと。
最終話の感想でも書いたとおり、みほがまほを越えたことでドラマとしてもきっちりと幕が下りた印象なので、私的にはこれで完結してほしいと思っている*1。いずれにせよ、ここ一連の水島努監督作品に通底していたエンターテイナー精神が、オリジナル作品ということもあって頂点に達したようなシリーズだった。1クール存分に楽しませていただいたスタッフ、キャストの皆さんに厚く感謝を申し上げたい。
サントラ盤は昨年暮れから愛聴しているけど、3巻まで購入したBDはまだ未開封。繰り返し視聴に適した作風なので、時間を見つけてじっくりと味わいたい。
★★★★

*1:もっとも、ビジネス的な大人の事情がそれを許さないかもしれないが…。2期が実現すればもちろん歓迎したい。

(新)惡の華 第一回

原作漫画未読。

スタッフ

原作:押見修造講談社別冊少年マガジン」連載) 監督:長濱博史 助監督:平川哲生 シリーズ構成:伊丹あき キャラクターデザイン:島村秀一 美術監督:秋山健太郎 音響監督:たなかかずや 音楽:深澤秀行 音楽制作:スターチャイルドレコード アニメーション制作:ZEXCS

キャスト

春日高男:上田慎一郎 仲村佐和:伊瀬茉莉也 佐伯奈々子:日笠陽子 山田:松崎克俊 小島:浜添信也 木下:上村彩子 麻友:原紗友里

脚本:伊丹あき 作画監督新田靖成

全編にわたってロトスコープを用いた人物の動き、臨場感あふれる会話や効果音の録り方、などの演出面の個性もさることながら、その空間を埋める音楽との相乗効果が強烈に印象的。本編で背景をべったりと塗りこめていたブライアン・イーノなどのアンビエント系を思わせる超ミニマルな音楽が、ラグタイム調に変わった途端にコラージュ風のヴォイスが流れるED曲に繋がる演出は、得も言われぬ不穏感に満ちていた。ドラマ的にはこれからなので何とも言えないけど、映像と音による仕掛けによって25分間画面に釘付けだった。余談だが、過去の『アニマックス大賞』受賞作品を想起させる実験的な作風はアニマックスに不思議と馴染んでいた感じ。地上波では喧々諤々だったみたいだけど。
★★★

(新)百花繚乱 サムライブライド 第壱話「真陰、開幕」

前テレビシリーズ『百花繚乱 サムライガールズ』は視聴済。

スタッフ

原作:すずきあきら キャラクター原案:Niθ(「百花繚乱」(HI文庫/ホビージャパン)) 監督:KOBUN シリーズ構成:西園悟 キャラクターデザイン・総作画監督:宮澤努 美術監督:東潤一 音響監督:明田川仁 音楽:加藤達也 制作:アームス

キャスト

柳生十兵衛悠木碧 柳生宗朗:平川大輔 真田幸村釘宮理恵 後藤又兵衛小林ゆう 徳川千:寿美菜子 服部半蔵後藤沙緒里 直江兼続豊崎愛生 柳生義仙:水原薫 シャルル・ド・ダルタニアン:小清水亜美 猿飛佐助:赤崎千夏 宮本武蔵日笠陽子 佐々木小次郎進藤尚美 荒木又右衛門:戸松遥 宝蔵院胤舜佐藤聡美 徳川慶彦:櫻井孝宏 前田慶次能登麻美子

脚本:西園悟 副監督・絵コンテ・演出:佐藤清光 作画監督:石橋有希子・宇都木勇・Park Myoung-Hun アクション監督:福島秀機

前半は借金の担保に取られメイド喫茶化した柳生道場でのコメディ、後半は剣姫(マスターサムライ)をもしのぐ実力を持つ四剣鬼(ダークサムライ)との初邂逅初対決という明快な構成。レギュラー陣は前シリーズで愛着ができているし、兼続のコメディリリーフは相変わらずキュートで笑えるし、エフェクトを含めた作画周りの処理は個性的、さらには四剣鬼たちのキャラクターもキャスト陣のおかげもあって立ちまくっている、と前シリーズを気に入った自分としては申し分のないスタート。加えて、AT-X限定だろうが、前シリーズにおける(お色気方面の)リミッターもめでたく解除になって楽しみが増えた。作画面の見どころが多く、キャラクターがそれぞれ魅力的で、コメディとシリアスのバランスがよいシリーズなので、毎回安定して楽しませてくれそう。初回から人物のデッサンが崩れ気味だったのは気掛かりだが。
★★★

(新)はたらく魔王さま! 第1話「魔王、笹塚に立つ」

原作ライトノベル未読。

スタッフ

原作:和ヶ原聡司(電撃文庫アスキー・メディアワークス刊) 原作イラスト・キャラクターデザイン原案:029 監督:細田直人 シリーズ構成:横谷昌宏 キャラクターデザイン・総作画監督:碇谷敦 音響監督:明田川仁 音楽:中西亮輔 アニメーション制作:WHITE FOX

キャスト

真奥貞夫(魔王サタン):逢坂良太 遊佐恵美(勇者エミリア):日笠陽子 佐々木千穂:東山奈央 芦屋四郎(悪魔大元帥アルシエル):小野友樹 漆原半蔵(悪魔大元帥ルシフェル):下野紘 鎌月鈴乃:伊藤かな恵 鈴木梨香:西明日香 木崎真弓:内山夕実 エメラダ:浅倉杏美 アルバート安元洋貴 オルバ:宝亀克寿

脚本:横谷昌宏 コンテ・演出:細田直人 作画監督:碇谷敦

勇者に敗れ人間界に流された魔王主従のバイト生活。初めての地球(東京)で右も左もわからず戸惑うAパートから、すっかり一般市民として順応したBパートの落差がなかなかコミカルでキャッチー。何のエクスキューズも無しにハンバーガー店のバイトとして優秀なところを見せるのも面白い。魔王・真奥貞夫とアルシエル・芦屋四郎の二人だけにフォーカスした丁寧な導入部のおかげで、勇者・遊佐恵美の満を持しての登場はなかなかインパクトがあった。意欲、能力両面で勤労の適性がありそうな魔王さまという設定をどう転がしてくれるかが見もの。また、アヴァンのエンテ・イスラから流された東京の夜景まで、精緻な背景美術が印象的。
★★★