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アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

異国迷路のクロワーゼ The Animation #8「子供部屋 "Chambre déntant"」

ブランシュ姉妹それぞれの湯音に対する共感と憧憬に、二人の立場を反映した違いが描き出されていて秀逸なエピソードだった。

  • アリス:彼女が幼少時代に創作した物語、金髪碧眼の少女が東洋の異国を訪れ黒髪黒目の女の子と出会い、女の子は少女に対して海の向こうの様子を興味津々で訊く。そして、少女は東洋の「竜」に乗れば世界中を知ることができると説く。これは「鳥籠」の中だったアリスの自由への願望の発露だったと理解できる。ところが現実は逆で、黒髪黒目の女の子が金髪碧眼の少女を訪ねてくる。少女は依然籠の中のまま…。そんなアリスにとって、湯音は自分に代わって“自由”を運んできてくれた象徴に見えたのだろう。『竹取物語』で、想い人に殉じた帝ではなくかぐや姫の自由さに感銘を受けた件などその証左。湯音の自由さに嫉妬することなく受け入れたのは、まだ幼い彼女の無邪気さ故か。
  • カミーユこちらは妹よりも意味深で厄介だ。彼女がクロードに話した「湯音ちゃん、昔の私みたいね」は、クロードへの思慕という共通点もさることながら、自由への願望を封印してブルジョア長女としての使命に従った自分を、クロードの使用人である湯音(表面的には不自由で遠慮がち)に投影したとも取れる。そして湯音にアリスのお古をあげた件は、アリスに生き甲斐を与えてくれたご褒美という表向きの理由の陰に、同じくクロードに想いを寄せる者として、不自由な身でも自分に誇りを持って強く生きるべしというエールが感じられた。アリスの物語を目を輝かせて聴いていた少女時代から現在の変化には、時間の経過とともに彼女の決意の重さが伝わってきた。

正直、前回まではブランシュ姉妹に異物感を覚えていたんだが、今回で見事にその印象は覆された。時代考証の正確性云々はさておいても、言葉を選んだダイアローグが冴えていて人間ドラマとして見応え充分。彼女たちの奥深い内面描写に、作り手のキャラクターたちに対する敬意を見た。あとはクロードだな。
★★★★