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アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

薄桜鬼 黎明録 第十二話「大いなる黎明」(終)

大張正己絵コンテ回。
羅刹化した芹沢が、土方以下を殺そうと思えば殺すことが出来たのにそれをしなかったのは、決してご都合主義ではなく自身の死を覚悟していたから、という内面が自然と伝わってきた今までの積み重ねがお見事。また、直前にお梅を手に掛けた容赦ない描写でも補完されていたし。羅刹としての最期は、新見の行いもひっくるめて自身のような過ちを残された隊士たちにさせたくない、という芹沢からのメッセージに思えた。また、永倉や龍之介を芹沢討伐の現場から遠ざけようとした近藤たちの断腸の思い、そして芹沢への恩義と新選組への忠義がない交ぜになった永倉の怒りの演出も、キャスト陣の好演もあいまって熱かった。それでいて、変若水の実験を山南が引き継ぐという苦々しさも残すあたり、新撰組がこれから辿る顛末を想起せずにはおられない渋い脚本。
芹沢から「生きろ」と言われ逃走するしかなかった龍之介の無力さは、だからこそ力を過信して羅刹に堕ちた芹沢が託したものがあったのだろう、と想像してしまい目頭が熱くなった。新たに芽生えた生への執着のおかげで生き延び、雪村千鶴と入れ替わるように退場した龍之介こそが一縷の希望を残してくれたラストシーンは、前シリーズまでを視聴していたからこそ格別。
殺陣を中心とした大張さんによるダイナミックなコンテワークは、本シリーズに通底していた美意識の結晶を見ているようで惚れ惚れとさせられた。失礼ながら最終回でここまで感動できるとは思ってもみなかった。すばらしい。
★★★★