flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

惡の華 総感

全編ロトスコープという生々しくも冷やかな映像演出と突き放した語り口による厨二病の迷走という物語の組み合わせが、唯一無二の作品世界を創り出していた。個人的には、序盤の実写とアニメの何れにも当てはまらない新しいジャンルという印象から、実写とアニメの中間をさまよっている印象に変わっていき、終盤では新種のアニメーションとして認識するようになった。受け手の価値観を書き換えることがあらゆる創作物の価値だと定義すれば、他のアニメ作品では叶わない未知の刺激に満ちた本シリーズは最上のものだったと思う。キャラクターやストーリーはお世辞にも好みのタイプとは言えなかったが、それを承知でこちらも突き放したスタンスでの視聴に徹することでクリア。いや、“視聴”というよりは“体験”と表現するほうが相応しいかもしれない。
物語面でも映像面でも商業主義に阿ることのない気骨は、劇中における春日と仲村の内面にも重なっているようで、シリーズの陰影に繋がっていたように思う。春日の厨二病アイテムが、厨二病を扱った他のアニメ作品で散見される特撮やアニメやゲームではなく、ボードレールの詩集であった背伸び具合が象徴しているようで、そこにささやかながらも切実なアナーキズムをみた。
演出面においては、作画とリンクするように空間を塗り込めるSEとも音楽ともつかない劇伴も息苦しさを増長させており秀逸だった。
★★★☆