flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

君のいる町 総感

滲みを強調した幻想的な画面作りとトリッキーなコンテワークそしてウェットな恋物語のケミストリーがすばらしく印象的なシリーズだった。2話の庄原編における青大と柚希視点での胡蝶の夢のような回想描写や、風間恭輔の死去前後における不可逆な時の流れを突き付けるような紙芝居的コンテなど。ダイナミックに動きまくるアクションとは対極にある表現だったかもしれないけど、動かない絵だからこそ印象的に演出できるドラマもあることを教えられた気がする。これまでの山内重保の作画演出はそのフェティシズムが個性的だとは思いつつ心を動かされることがあまりなかったのだけど、本シリーズについては全体に統一感があって、ドロドロなストーリー展開とは背反した美しさすら感じられた。
トーリーについて。『涼風』を視聴した時にも感じたことだけど、原作者は恋する男女の身勝手さに愛情を注ぐタイプなのだろう。本シリーズの場合は青大と柚希の主人公カップルが揃ってそうで、懍のみならず各所で「クズ」と評されるのもむべなるかなと思いつつ、その弱さからくる身勝手さが愛おしかったりもする。自分がもっと若ければ青大あるいは柚希を扱き下ろす感想を垂れ流していたかもしれないが、『涼風』の頃に比べても丸くなってしまったのかなと思う。もっとも、そんなプラス補正に山内演出が寄与していた部分も相当あるような気がしているが。
私的には今期、いや今年で一番のダークホースになりそうだ。これだからアニメ視聴はやめられない。
★★★★