flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

極黒のブリュンヒルデ 第9話「模造の記憶」

脚本:北島行徳 絵コンテ:今泉賢一 演出:駒屋健一郎 作画監督:荒尾英幸

寧子たちを探し出すために送り込まれた斗光奈波は、お目付け役の黒服をおとしいれ単独行動をとる。
奈波の思惑について考えてみる。彼女自身が語ったとおり、せっかく外の世界に出られたのだから、1日だけでも普通の女の子らしく過ごしたいという願望だけだったのだろうか。もしかしたら、研究所から逃げ出したいという切羽詰まったものがありはしなかったか。誰もが自分のことを忘れてしまうという彼女の孤独感は、研究所における境遇と記憶を消去する能力が混在してのものに思えた。なんとなれば、人の記憶を消すか書き換えない限り、彼女は研究所からすらも見限られてしまうのだから。よって、研究所を見限ることでわずかの間でもその呪縛から逃れることができるかもしれない、と。
そんな奈波にとって、持ち前の記憶力で自身の能力を跳ね返した良太は、まさに救世主であっただろう。そこに他の魔法使いを救いたいという寧子たちの偽りなき願いが加わって、奈波を孤独から解放したシーンがこの上なく美しかった。何が起ころうとも自分の記憶をとどめていてくれる人たちの存在が、彼女にとってどれほど大きかったか。記憶を書き換える前にスキャンする奈波の能力を生かしつつ、これまで強調されてきた寧子たちと良太のひたむきさにみごと溶け込ませてみせた。
黒服が奈波の術中にあっさりとハマってしまったり、能力発動の条件とばかり奈波がスカートをたくし上げたりと、思わず脱力してしまう場面もあるのだが、メインとなるテーマがいささかもブレないので、むしろ魅力になっている。また、奈波の特性上激しいアクションはなかったけれど、そんな要素に頼らずともキャラクターたちのドラマだけで十分と思わせてくれるのが強み。
★★★★