flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

蟲師 続章 第九話「潮わく谷」

絵コンテ:長濱博史 演出:下司泰弘 作画監督西位輝実、安彦英二、馬越嘉彦

雪山で足を負傷して行き倒れたギンコは、豊一という男に助けられる。彼の住まう里は、冬の最中にあっても棚田に青々と稲穂が実る不思議な土地だった。
貧しさからの栄養不足で乳が出なかった豊一の母、千代に「白い池」である蟲が感染し、母乳を媒介に息子である豊一を強化してさらなる増殖の糧にするシステム。わが子の健康を祈る千代の愛情を蟲が利用したように思えるが、現実の寄生虫の生態だってそんなものだろう。ターゲットがたまたま人間だったせいで愛情が関与したように見えるだけで、蟲にとってそれは鹿のような野生動物と寸分変わらぬという意味合いにおいて。すなわち、母親の愛情は種を問わず(例外こそあれ)不変であることを物語る。
母親を死なせたのは自分のせいだと働くことをやめようとしない豊一に対して、いっさいの経緯を知りつつ亡き妻と息子それぞれの想いに配慮しようと苦悩してきたであろう父親が、蟲にあらがう人間のささやかな尊厳を感じさせてくれた。
★★★★