flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

selector infected WIXOSS 総感

最終回の幕引きからして事実上の分割2クールなので手短に。
徹底して少女たちのヒリヒリとデリケートな空気感に貫かれたシリーズ。トレーディングカードゲームTCG)バトルという設定は、その箱庭感を演出するためのガジェットだったのでは。そう考えれば、ゲームのルールやメソッドに深入りしなかった理由もよく分かる。他のTCGを題材にした作品をよく知らないので何とも言えないのだけど、本シリーズにおいてはセレクターとルリグのパートナーシップの色合いが濃かったように思う。
勝利したセレクターがルリグとなり、ルリグが夢限少女としてセレクターの願いを叶えるというシステムのロジックにかかる部分については、この1期では納得のいく説明がされなかった。ルリグはセレクターにその真実を秘匿し続けなければならないという不文律についても、共犯関係の伊緒奈とウリスはもちろんのこと、クライマックスのるう子たちにおいても崩れてしまっている。
しかしながら、この1期シリーズのコンセプトが“infected”(感染)で2期シリーズのそれが“spread”(まん延)であることを考えると、これまではいわば仕込みであり、伊緒奈とウリスの野望が具現化した2期からが本番ということだろう。1期で一定の答えを出さなかったことに対する不満もないわけではないが、伊緒奈とウリスの目的、繭がタマに託そうとするもの、セレクターとルリグになったるう子とイオナの関係性など、多くの興味を2期につないでくれた。
作画面ではにじみを強調した冷やかな背景美術が印象的で、セレクターバトルの総本山である超高層ビルがそびえるあの街そのものが、バトルフィールドではないかと錯覚しそうだった。それはすなわち、セレクターとルリグの真実が物語るように、るう子たちが存在する日常とタマたちの「白い部屋」が表裏一体であることを体現している。
るう子が、自分の家のことを繰り返し「ばあちゃんとるうのおうち」って呼ぶところが良い。荒涼とした都会にぼつねんと存在するあの温かい場所こそが、何者でもなかった彼女をつなぎとめてくれていたのだと。大切な場所があってこそ大切な人たちに出会えた。さて、願いを得たるう子がそれらを守るために何を「選択」するのか……。2期シリーズを楽しみに待ちたい。
★★★☆