flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

結城友奈は勇者である 総感

人間味が強調される他の部員たちとは異質な、本能的に勇者であろうとする友奈のキャラクター造形を深読みしながら見ていたのだけど、そんないち視聴者のスタンスをはぐらかすような友情物語だった。「供物」としての身体機能欠損をリセットされたクライマックスの展開も、神の力によらない彼女らの「根性」によるもの。思いが強ければなんだって乗り越えられるというストレートなメッセージは、この世界の絶対的な指針である大赦すら変わらざるを得なかったという。
乃木園子や東郷を旧世代、すなわち大赦の意を実現するための戦士だとすれば、友奈は新世代の勇者、すなわち大赦のルールにしばられることなくすべてを守る超越者としての位置づけに思えた。それを説明する要素が気合であり根性であり、友奈たちが大赦を屈服させた(あるいは見限られた)以上は受け入れざるを得ない。
お国のためにその身を捧げよという大赦の自己犠牲的な精神論に、そんなものはクソ食らえだとばかりに守りたいものは自分で守ってみせるという自発的な精神論をぶつけた友奈のカウンターは、ある意味で痛快だった。友奈の精神論には、自らを犠牲にしてもかまわないという捨て鉢さは見当たらず、ただみんなを守りたいという意志だけが突出していたように思えたので。それが最終話における帰還をご都合主義以上のものにしてくれたと思いたい。
最終話が「結城友奈の章」と銘打たれたことから、友奈たちを放逐した大赦には次なる手があるのかもしれない。また、その内情が全く説明されなかったことから、機関である大赦と本尊である神樹が必ずしも一枚岩であるとは限らない。次なる展開があるとすれば、勇者システムにあらがう友奈たちという構図がより表面化しそうな気がする。
たっぷりと尺をとった戦闘描写に、こちらもゆったりとした日常芝居。シンプルなキャラクター構成に物語もあいまって薄味に感じられることが多かったのだけど、全編を視聴した今となっては、スタッフによる取捨選択が徹底したシリーズだったことが分かる。勘所を外さない作画演出もキャスト陣の熱演も印象に残りやすく、スケール感こそ欠けるもののまとまったシリーズだった。
★★★