flower in my head

アニメのてきとう感想がメイン。ネタバレあります。

昭和元禄落語心中 第九話

脚本:熊谷純 絵コンテ:田頭しのぶ 演出:浅利藤彰、村田尚樹 作画監督石川洋一、ウクレレ善似郎、中島美子

【概要】
そろって念願の真打に昇進した菊比古と助六。しかし、落語協会会長の嫌味に腹を立てて会長の十八番を勝手に披露してしまうなど、助六の問題行動はエスカレートするばかり。そのことを七代目八雲に説教された助六は頭に血がのぼって師匠に手を出して破門されてしまう。そのころ、菊比古から別れ話を切り出されたみよ吉は自暴自棄になっていった。
【感想】
新しい落語を志向する助六、新しい女性の生き方を説かれたみよ吉、落語界の伝統にのっとろうとする菊比古。すべてがかみ合うことなくすれ違うばかりのやるせなさ。落語界の王道からドロップアウトした助六とみよ吉が結ばれる流れは人の弱さそのものであり、師匠の薫陶を一身に受け王道をひた走る菊比古はどこにもいない。だからこそ、菊比古の尊敬が助六に向かい、みよ吉の愛情が菊比古に向いたまま、純粋すぎるそれぞれの思いの宙ぶらりんが切なく。そして、かつての助六のような「野良犬」だった与太郎を拾った八代目八雲の複雑な内面に思いを致した次第。
七代目八雲と口論する助六、その七代目から八雲襲名の意思を継げられる菊比古、それぞれ横一線に並べた二人の下部を黒く塗りつぶしたカットが印象的。しかも助六よりも菊比古のほうが下部の面積が小さくなっており、それはすなわち七代目の弟子たちに対する感情そのものに思える。視聴者からみた高座をイメージさせることもあって、七代目すなわち伝統的な落語界をめぐる二人の分水嶺に見えてきた。
★★★★