【概要】
深界二層の最深部「逆さ森」の外れにある監視基地(シーカーキャンプ)にたどり着いたリコとレグは、基地を預かっている白笛のオーゼンの出迎えを受ける。オーゼンの直弟子であるマルルクの案内で基地をまわることになったリコとレグ。同年代であるマルルクと打ち解ける中、リコは深夜に基地内でおぞましい何かと遭遇するのだった。
【感想】
不敵で不気味なオーゼンとおだやかで心優しいマルルクという師弟の振れ幅が、シリーズの世界観そのものを体現しているかのよう。深くなるほど複雑になるというタマゴ型の遺物が象徴的で、まる生命体と人造物のハイブリッドのようだ。それは自身がロボットであることに戸惑うレグの存在そのものであり、縦穴と密接になりすぎたために一体化という適応を始めた人類を想起させもする。オーゼンの巨躯といい、マルルクの性別といい、ゲストキャラクターの謎めいた造形が深度を感じさせるなど、そこかしこにイマジネイティブな描写が転がっている。