【概要】
性的な妄想に泉の行為が加わってますます混乱した和紗。男子の性について調べているとき新菜から無理やり協力させられる。文芸部ではり香の号令のもとセックスに代わる差し障りのない言葉を考えることに。泉への告白現場を監視していた和紗は自身の気持ちに気づくのだった。
【感想】
和紗と泉のぎくしゃくが何ともかわいらしくてほほえましくて。心乱れながらも泉のことを思いやることができる和紗の優しさが、二人の関係性をいっそう魅力的なものにしてくれた。そんな和紗に呼応するかのように文芸部員たちそれぞれが男性たちとかかわりを持っていく描写が初々しくて爽やかですらある。自分なりに悩んだ和紗が苦し紛れに生み出した「えすいばつ」が合言葉のように彼女たちを包み込んでいく景色のいとおしさ。登場人物たちに向けられた作り手の温かな視線を感じずにはいられない。